撥水と防水の違いとは? それぞれの違いを解説
はじめに
みなさんは傘やレイングッズによく記載されている撥水(はっすい)と防水の違いについてご存知でしょうか?
簡潔に告げると、撥水が水を弾く機能で、防水が水を防ぐ機能です。
では具体的にどこが違うのでしょうか? この記事では撥水と防水の違いについて解説します。
撥水とは?
撥水とは表面に付く水滴を玉状に弾く機能のことです。生地の表面に撥水コーティング加工を行うことで、水を弾くことができるようになります。水が玉状になって転がり落ちるので、生地が濡れにくくなるのです。ただし水を弾く機能なので、水を完全に防ぐことはできません。
撥水の特徴
撥水加工は、生地の表面にシリコンやフッ素を付着させて行います。特徴の1つとして通気性が保たれ、蒸れにくいというものがあります。これは布目の隙間がコーティングされても塞がれないからです。
撥水加工がされている物でも、使用を続けていればいずれ効果は薄れていきます。しかし対策は可能です。効果が薄れてきたら、市販の撥水スプレーを使用して効果を得ることができます。元々撥水加工がされていない物にも使用できます。手軽に効果を得ることができますが、表面に撥水加工を行っているだけなので、次第に効果は薄れていきます。
- 通気性が保たれ、蒸れにくい。
- 撥水スプレーを使用し、手軽に効果を得ることができる。
- 使用を続けるといずれ効果は薄まる。
- 完全に水を防ぐことはできない。
撥水効果を示す基準
撥水効果の基準は、日本産業規格(JIS)が定めた「JIS L 1092 繊維製品の防水性試験」で決まります。試験方法は「生地に水をスプレーし、軽く水を払った後に生地に残った水の量を確認する」というものです。等級は1~5まであり、詳細は以下となります。
| 等級 | 撥水の程度 |
| 5級 | 湿潤、水滴がない |
| 4級 | 湿潤がなく、小さな水滴が付着 |
| 3級 | 小さな水滴状の湿潤 |
| 2級 | 半分程度湿潤 |
| 1級 | 全体的に湿潤 |
5級が1番評価が高いのでおすすめです。商品に撥水等級が記載されていたら気にかけてみてはいかがでしょうか。
防水とは?
防水とは読んで字のごとく、水を防ぐ機能のことです。生地そのものをゴムやビニールなどの水を通さない素材で作ったり、生地の隙間にゴムや合成樹脂を塗り込んだりして、水の浸透を防ぐことができます。
防水の特徴
水をほぼ完全に防ぐことができるので、台風などの激しい雨に強いです。完全防水というわけではないので、場合によっては水が浸透してくる場合もあります。撥水と違い素材自体が加工されているので、防水効果が薄まるということはありません。そのため後からスプレーを使用して効果を付ける必要がありません。
撥水と違い布目の隙間がないので、空気や水蒸気を通しません。そのため蒸れやすいです。ただし透湿防水の機能があるものであれば、水は通さずに空気だけ通すことも可能です。透湿防水とは、雨などの外部の水はブロックし、蒸れは逃がすことができる機能です。ゴアテックスなどが有名です。ただし値段が比較的高めです。
- 水をほぼ完全に防げる。
- 効果が薄まることがない(機能の劣化は除く)。
- 通気性が悪いので、蒸れやすい。
- 透湿防水機能は便利だが、値段が比較的高い。
防水効果を示す基準
防水効果の基準は、「IPX」という防塵・防水等級を示す国際規格で決まります。IPの後ろに等級が記載されます。試験方法は等級によって変わるのですが、防水の場合は「水を与え続けた結果どうなったか」で決まります。防塵の等級は0~6、防水の等級は0~8まであります。試験をしていない機能については「X」と表記します。今回は防水のみの解説なので、防塵は「X」で表記します。詳細は以下の通りです。
| 等級 | 防水保護の程度 |
| IPX0 | 水の侵入に対して特に保護されていない |
| IPX1 | 垂直に落ちてくる水滴に よって有害な影響を受けない |
| IPX2 | 垂直より左右15°以内からの 降雨によって有害な影響を受 けない |
| IPX3 | 垂直より左右60°以内からの 降雨によって有害な影響を受 けない |
| IPX4 | いかなる方向からの水の飛沫 によっても有害な影響を受け ない |
| IPX5 | いかなる方向からの水の直接 噴流によっても有害な影響を 受けない |
| IPX6 | いかなる方向からの水の強い 直接噴流によっても有害な影 響を受けない |
| IPX7 | 規程の圧力、時間で水中に沒 しても水が浸入しない |
| IPX8 | 水面下での使用が可能 |
おすすめなのはIPX4~6のものでしょう。あらゆる角度を問わずに高い防水性を発揮します。IPX7以降は水面下での使用を前提としたものに適応されることが多いので、傘やレイングッズにはあまり影響はないでしょう。
耐水圧
レインコートなどによく記載されている耐水圧。耐水圧とは、生地に染み込もうとする水の力を抑える性能の指標です。防水機能を確認する時は、耐水圧にも気にかけるべきでしょう。以下は耐水圧の詳細です。
| 耐水圧 | 防水の程度 |
| 300mm~500mm | 小雨に耐えられる |
| 2000mm | 中雨~雨に耐えられる |
| 10000mm | 大雨に耐えられる |
| 20000mm以上 | 嵐や大雪に耐えられる |
一般的には10000mmあれば、ある程度の雨には耐えることができます。
まとめ 撥水と防水の比較
最後に撥水と防水の比較をしてみます。
| 撥水 | 防水 | |
| 水に対する効果 | 水滴を玉状にして弾く | 水を防ぐ。完全防水ではない |
| 通気性 | 通気性が良く、蒸れにくい | 通気性が悪く、蒸れやすい |
| 効果の持続 | 使い続けると効果は薄まる | 効果が薄まることはない |
| 等級のおすすめ | 5級 | IPX4~IPX6 |
| 適した用途 | 軽めの雨 | 長期間の雨や、大雨 |
撥水と防水。似たような言葉ですが、その意味合いは全く違うものとなっています。これから傘やレイングッズなどの商品を選ぶ時は、撥水や防水の機能にも着目してみてはいかがでしょうか。

